【BOOKレビュー】二月の勝者

中学受験は課金ゲー。
言い得て妙ですな。
時間とお金をかけただけ、返りがある世界なのかもしれません。

作中でサラリと触れられる「1年間で150万円」という世界は、あながち嘘ではありません。

実際、トラジャ家の昨年かかった塾代は三桁にはならない・・・そんな額。

超有名中学受験塾、ではなかったけれど、地元の老舗塾でした。
5年生から2年間通いました。

本来受験は4年生から、と言われていますが、あえての5年~。
当然クラスは最下層クラスからのスタートです。
最終的な位置付けは男子2組。
結果は、第一希望に合格でき、毎日楽しく通っています。

作品中でも語られている、下剋上男子。実は兄がそうでした。

昔の話ですが、思い出したので語ろうと思います。

男子は受験させるべき?

受験というものを全く知らなかった私。
地元に中高一貫校が新設されると聞き、説明会に行き、軽い気持ちで勉強を始めたのは、兄が5年の夏。

やっては見たものの、全く成果が出ない!
首都圏模試を受けてみたら結果は散々で・・・。

そこで気がつくわけです。

『もしかして、塾に通わないと合格できない?』

夫と相談し、駅前の中堅受験塾へ無料体験に行きました。
こじんまりした塾でしたが、少人数制で先生のあたりも良く、テキストも四谷大塚のものをつかう、スタンダードな塾。

無料お試し期間中は一番やさしいクラスでの参加、と言われていました。
本人も、目新しい塾が楽しい、と言う感想です。
保護者面談も、塾長自ら話をしてくれ、夫は、塾長の人柄が気に入った、と言っていました。

私は塾のことはよくわかりません。
受験もよくわかりません。
適当に過ごしてきたのです。
大学受験ですらほぼやってない。

しかしそんな私でも持っているものがあります。

それは、『母親の勘』

ある日、入館パスを忘れた息子のために塾まで届けに行きました。

そこで感じたちょっとした違和感。
何だかわかりませんが、なんか違うな、と感じたのです。

とはいえ、気の所為と。その時は流しました。

2週間過ぎたとき、息子がこんな事を言いました。

『同じ学校の子がいるんだけど、毎日課題をせずに授業中寝ている。俺は、あいつよりテストの点数はいい!』

これはいけない、と思いました。

正式に入塾すれば、テストの点数でクラスは変わる、とはいえ、『その子』は『同じ塾』にいるのです。

塾で挑む姿勢、この基準を『ただ塾に来ている子』に合わせたことに、私は危機感を覚えました。

私の考え方に賛否両論あるでしょう。
私が危機感を持ったのは、自分の息子がどういう性格かを知っていたからです。

兄は、楽な方に流れようとする性質が強めな子です。
できれば、面倒なことは後回しにしたいタイプです。

その兄に、言い訳を与えることはできない、と思ったのです。

私はすぐさま行動に出ました。

ネットと口コミ、そして、勘。

今はいい時代ですね。
ネットで近所の塾の情報はすべて知ることができました。

所詮ネット情報ですが、ゼロ知識からの出発ですからすべての情報が参考になりました。
授業の方式、拘束時間、宿題の量、模擬試験の回数、もちろん、塾にかかる総額も。

拠点駅にある塾をピックアップ、更に隣の駅までリサーチし、それぞれの特徴と、自分の息子の性格が合致するかを考えました。

考えて考えて・・・わからなくなりました!

そうなんです。

考えたところでわからないんですよ。

なので、選ぶ方法を変えました。

息子の性格に合っている塾を選ぼう、と。

息子(兄)の性格上、できることとできないことを考えて、優先すべき3つを決めました。

  1. 宿題はできない(やらない)ので塾で完結してほしい
  2. 家で勉強はしないと考えられるから、拘束時間が長いほうがいい

すると、ピッタリの塾が会ったのです。
とにかく塾の時間が長くて有名。
口コミを見ても、家で勉強しないので全部塾で完結しました、なんていうものが多い。

まさに理想!ここだ!と思いました。
しかし、6年からの入塾は基本的にできない、と。

ダメ元でメールしました。
すると、一度来てくださいとの返事。

すぐに電話をして、入塾テストと面談を申し込みました。
息子が入塾テストを受けている間、講師の方とお話をします。

目指している学校のこと、息子の事、お試しで通った塾のこと、なぜそこは嫌なのか、等々・・・。

6年生からの入塾には積極的ではないと仰る先生。
息子が第一希望にしていた学校は新設校だったため、その塾ではカバーしていないと言われました。

塾『その学校を受験なさるのなら、◯◯塾というところのほうが合ってますよ。』
私『そこは電車に乗らないといけないので、できればここにお願いしたいのですが。』
塾『うちに通うのであれば、私立の難関校受験を基準にすることになりますが、よろしいですか?』
私『もちろんです。そのつもりで申し込みました!』

違う塾を教えられたのでびっくりしたのを覚えています。
この塾には入塾させてもらえないな、そう感じました。

『テストの結果をお知らせしますので、◯日に来て下さい。』

あんまりできなかったという息子とともに、どんより帰宅したのを覚えています。

塾と縁とタイミング

ほとんど解けなかった、という息子に対して、テストの結果を見せてくれた先生は、1年間でどこまで伸びるかやってみましょう、というお返事でした。

つまり、入塾オッケイだったわけです。

これにはタイミングが良かったこともあります。

たまたま、転塾していった生徒がいたというのです。
嘘かホントかわかりません。

でも、結果として、息子は2月から新6年のスタートができたのです。
もちろん、最下層からのスタート。

4,5年の未習部分を補うのは至難の業でした。
記憶の教科がボロボロ。これは最後までなんともなりませんでした。

ただ、兄はこの塾に本当に「合って」いたのです。

塾が楽しくて仕方ない、と。
勉強が面白い、と。

あっという間に2組までクラスが上がりました。
志望校に近いクラスに行けたのです。

10~12歳はゴールデンエイジと呼ばれるそうです。
この時期に勉強が楽しい、と思えたのはなんと幸せなことでしょうか。

聞くもの、解く問題、どんどん吸収していくさまは見ていて小気味よかったです。
とはいえ、それは理科と算数のみ。
社会はそれはそれはひどいものでした。

そして、国語。

実は、壊滅的に作文が書けなかったのです。

6年の11月末、外部の合格判定模試でとんでもない点数を持ち帰りました。
忘れられない。
200点満点中18点。
480文字の作文が書き上がってなかったのです。
長文作文に時間をかけてしまったので、短い書き出し問題もできてない。

作文は志望校には必須でした。
時間も45分と短い中に長い作文1つ、短いものが1つか2つ。
受験まで時間がありません。

そこからが大変でした。

12月はなぜ作文が書けないのか国語の先生と毎日のように相談しました。
よくよく聞いていくと、兄はこういいました。

作文の問題は『次の文章を読み、自分の体験談をもとに感想を述べよ』とか
『次の文章に関連して、あなたの体験したエピソードを交えてどうしたらよいか論ぜよ』とかそういう物が多いのです。

「体験もしていない、思ってもいないことはかけない。」と。

間違ってはいません。
体験もしていない思ってもいないことは『嘘を書く』ことになるから嫌だ、というのです。

私は、その気持がすごくわかったので、『適当に想像して書けばいいんだよ』というのは無責任に感じました。

作文に苦しむ息子に、夫が言いました。

『テストを作った人間は、君の『本当の体験』や『本心』を聞きたいのではない。君が『体験したエピソード』や『考えたこと』をどのくらい文章にできるのかを見たいんだよ。』

この言葉を機に、息子はスラスラと作文を書くようになりました。
冬休みと1月半ばまで作文に打ち込むことで、完璧ではなかったとはいえ、規定の文字数を軽く埋める事はできるようになったのです。

最後の山を超えた息子は第一志望の学校の合格をもらいました。

塾は相性が一番。

兄、弟二人を同じ塾に通わせた感想ですが、塾は相性が一番大事だと思います。

二人が通った塾は超有名進学塾ではありません。
校舎もボロボロ、塾7不思議とか、名物講師がいる、というちょっと癖のある塾だと思います。

しかし、ふたりとも塾が大好きで、いきたくない、といったことは一度もありません。

拘束時間は長いし、課題も多い塾でしたが、楽しんで勉強できたこと、先生との信頼関係を築けたことが一番大きかったと思います。

中学受験なんてしなくちゃいけないの?
小学生なのに、毎日塾に行くなんて・・・。
そんなに勉強して、「かしこい」のねぇ・・・。
地元の中学にいかないと、お友達が・・・。

他にもいろいろと言われましたが、結果は本人が一番よくわかっています。

なんのための中学受験?

なんのために受験するの?

これ、大事ですね。

兄は、ぶっちゃけ『高校受験しなくて済むように』でした!

良かったのか悪かったのか、わかりませんけど、少なくとも高校まではエスカレーター。
楽だったでしょうね!

弟は?『6年間のびのびと過ごせるよ!』

中学受験のいいところは、高校受験しなくてもすむところです。(中高一貫校を受験するなら、ですが)
高校受験することで、しっかり勉強する、とも言えますが、半年から1年間をその準備につかうのはもったいないと考えました。

今は、中学入学時に高校受験が始まる、と言ってもいい状況です。(あくまで地元の中学での感想です)
中学になると部活も活発になり、毎日部活でクタクタになって、その後塾へ。夜も遅い。
土日も塾だったり外部模試を受けに行ったり。
そんなことを同級生のお母さんから聞きました。

選ぶのは自分。

どっちがいい、どっちが悪いはありません。

どちらも、その家庭の選択なのだと、思います。

最後に。

受験をするなら、お子さんが『本当に通いたい学校』を受験させてあげて下さい。

妥協はできる限りしないで・・・。

最後は、『この学校に行きたいという気持ち』が合格を引き寄せると思います。

ムダに長い話にお付き合いくださりありがとうございました(^o^)